発売当時から既にレアだったクルマ
フォルクス・ワーゲン・サンタナ
このクルマ、ワーゲン社の部品供給を受けて、日産が作っていたという風変わりな経歴の持ち主。当時バブリーな奴らがBMWやらベンツなんて乗りまわしていた頃、一応外車で、しかも日本車並の価格ってことで話題を振り撒いていたが、設計が古いのと、変形5気筒のエンジンが好まれなかったのか、それほど人気が出なかった。値段の割に装備がプアだったのもあったかもしれない。
いずれにしても、数年経った後に後継機種をパサートに譲って、このシリーズは打ち切りになった。それ以来、このクルマのことは話題にもならないし、まず見かけることは無くなった。
だが、このクルマは質実剛健なところが実に良かったのだ。普通乗用車には珍しい三角窓(ハメ殺し)もユニークだ。
写真は筆者が乗りまわしていたやつで、一度、脇道から飛び出してきた乗用車が運転席側のドアに突っ込んできたことがあったものの、運転手はほれこのとおり、ぴんぴんしている。それに、相手のクルマはフロント部分だったにも関わらず、ぐしゃぐしゃ。こちら側はドアに入っているサイドビームのお陰で、クルマの軽傷だけにとどまった。即ち、命の恩人でもある。
そう、サイドビームなんて、今でこそ当たり前だが、当時(この写真は13年前)の日本車には殆ど無かったのである。
因みに、写真のバックは県立木更津高等学校。ベイタウンにも多くの偉大な人物を輩出している名門校なのだ。(げらげら)
私はこのクルマに乗ってあちこちに行った。やや固めのサスペンションとかちっとしているシート、質素だけどなかなかのインテリアが長時間の運転にも適していた。ただ、エアコンがあまり良くない。それに5気筒というエンジンのせいか、独特の振動があり、日本車に比べて少々うるさい気がする。
写真は富士が間近に見える山中湖・平野の三国峠。十数年迄は思い切り悪路だった津久井湖〜道志村〜三国峠〜山中湖のラインもすっかり良くなり、今では中央道に飽きたりない方々の貴重なゆったりルートになっている。休日にどこからともなく登場するオフロードバイクのライダー野郎にはこの名物ラインが舗装されたのは残念だろうけど。
最近、身の回りのもの、特になんだか分からない書類がどんどん増えてきたので、なんとかスッキリさせたいと一大決心し、いらないものをばかばか捨てていたら、こんな2枚の写真が出てきた。十数年前の写真だけど、サンタナに乗っていたのがつい昨日のように感じていた。
2002/12/14 Zaki |