スタンリー・クラークというベーシストをご存知だろうか。結構有名なベーシストだからご存知の方は多い筈である。スティーブ・ガッドをはじめとする有名どころのアーティストの共演、特にジェフベックとの共演は一時期かなり注目されていた。また、自身の作の「スクール・デイズ」はロック色も強く、ジャンルを超えた人気だった。右のアルバムは76年発表。
このアルバムや、その後次々に発表された彼のアルバムを若き日の私ががんがん買っていた。当然、ベースの神様的なウェザー・リポートのジャコなども気にはしていたけど、あまりにも凄すぎてリアルタイムでは近寄れなかった。ジャコを意識して聴くようになったのはスタンリー・クラークにハマった後(当然ながらジャコの死後)になる。
ということなので、私にとってはスタンリーのほうが親しみが持てた。ファンキーなベースというのは当時、主流だったのもあった。日本ではあの後藤次利がチョッパーの弾き方を教えていた。考えてみりゃ、ベースにこれだけパーっと光が当たったのは、スタンリーの功績が大きいのかもしれない。ファンキーなベースはルイス・ジョンソンが代表的だったけど、でも、ルイスをチョッパーの神様という代名詞でみんなが語ったのは、スタンリーがベースをポピュラーな楽器にしたからじゃないかとさえ私は思っている。
1977年頃に私は「MUSIC LIFE」だったかその別冊だったか、あるいはまったく異なる音楽雑誌だったか、とにかく、「ベーシスト特集」なる雑誌を買ったことを記憶している。77年という年は、まさにスタンリーの傑作「スクール・デイズ」が発表された翌年である。しかし、その雑誌のトップにスタンリーがいるわけじゃなくて、トップを飾っていたのは、ルイス・ジョンソンであった。ゴードン・エドワーズも載っていた。もちろん、ジャコもいた。
78〜79年頃か、スタンリーが表題の「I Wanna Play for You」というアルバムを出した。2枚組みで、彼のその当時の作品の集大成のような感じのアルバムだった。その中で私が好きだったのは、FM東京の番組のテーマでもあった「together again」。ベースとフリューゲルホルンがユニゾンでテーマを奏でている。フリューゲルホルンはフレディはバート。やはり私の好きな奏者である。フリューゲルホルンといえば、当時はチャックマンジョーネが第一人者だったが、どうしても、2番目くらいに有名な人を好きになってしまうのが私のクセかもしれない。
「Together Again」(♪) ← Amazonの試聴コーナー
その他にもJeff Beck との共演、「Jamaican Boy」など話題作もあるこのアルバムと前述の「スクールデイズ」を都内のCDショップで同時に購入した。1月3日である。3日といえば、正月だ。正月早々からハッピーな「Together Again」を聴きたくなったので買ったのだ。早速Iipodでも聴けるようにして、昨日からずっとこの2枚のアルバムを聴き続けている。聴けば聴くほど、当時の色々な出来事などが思い出されて、懐かしい。
2006/1/4 |